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音楽レビュー

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SAVAGE GARDEN『AFFIRMATION』


 SAVAGE GARDENの曲は甘ったるく官能的でありながら、どこかに冷たさを隠している。自分たちのやっていることをメタ的に捉え直す視点がしっかり出来上がっているように感じるのだ。彼らは単に愛を歌っているわけではない。例えば表題曲の「AFFIRMATION」では思想を歌っているし、他にも恋愛と関係のない曲もある。また、愛を歌っていても、そこには想像力や知性の働きが大きいのである。音楽も愛もどちらも混沌の方面にあるものだとは思うが、その混沌に呑まれず、逆にそういう混沌を飼い馴らす鋭利な知性を備えているのが彼らだろうと思われる。
 だが、私は毎回思うのだが、曲の印象と歌詞の印象が合い過ぎているアーティストが多過ぎる。SAVAGE GARDENでは特にそれが顕著である。私としては、音楽と言葉が互いに異質でありながらそれらがぶつかり合うような興奮を体験したいわけであるし、少なくとも音楽と言葉の間に何らかの齟齬があった方がいい意味での幅が出来上がると思うのだ。彼らの欠点は、音楽も恋愛も統御しすぎてしまうために、それらの間に齟齬が生まれず、過度の調和が生まれてしまっている点だと思う。もっと破調を生み出す勇気が欲しい所だ。

作品名:音楽レビュー 作家名:Beamte