日々
「彼岸花」
いつもの道で
ある日気づいた紅い花
昨日もあったのだろうか
燃えさかる炎の様に
必死の形相で咲く紅い花
葉のない茎の上で
ひと塊の想いとなって
毒になろうか
薬になろうか
今ならどちらにでもなれる
紅いひと塊の想いは
少しずつ少しずつ膨らんで
ほころびた見えない穴から
ジワジワとにじみ出ると
ポタリと落ちて
不安のシミを広げていった
平穏な日々の上に
「きれいな彼岸花ね」
炎の様な紅い花は
私の顔を紅く染めていたに違いない
私は花に見えただろうか?
炎の様な紅い花は
あなたの顔を紅く染め
秋の日々の
何もかもを紅く染め
私を不安に突き落とす
毒なのか
薬なのか
今もわからない