日々
「四角の空き地で」
ヤギ!
そんな訳ないでしょ
こんな街中に
ヤギがいる!
どれどれ
先を行く子が飛びはねる
ブロック塀を抜けると四角の空き地
立派なヒゲのヤギに出会った
細い瞳で
不思議そうに見つめる
すぐにでも抜けそうな
ゆるい首輪に
長い長いひもつけて
逃げられるものなら
逃げてみて
草の生えないコンクリート砂漠を
蹄が割れるまで歩いてみて
立派なヒゲを揺らせながら
ヤギはのんびりと口を動かし続ける
穏やかな秋の午後
その角のむこうは
車が行き交う危険地帯
都会のヤギの棲む世界の果て
落ちたところが生きるところ
シアワセに
ヤギも
子も