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嘘つき

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楽しかったお酒が体の中でたぷん、と波打った。
どこか鈍くなっていた頭の中が、少しだけ冷めていた。
コンビニに寄って、明日の朝食を調達する。
私が泊まっているホテルはいい所なのだがいかんせん食事が美味しくない。初めて泊まった時に朝食付きプランにしたら、2日間とも食べていると半笑いになるような味だった。
コンビニの小さな袋を下げて、ホテルに戻る。
そうかぁー、結婚してるのかぁー。

コンビニの袋をライティングデスクに置いて、シャワーを済ませる。
急に右手に痛みを感じた。
よく見ると、手の甲にごく浅い切り傷ができていた。
あー、これだから酔っぱらいは嫌だ。(自分だけど)
彼女と話してる時はこんなのなかったから、彼女と別れてからホテルに戻るまでのどこかで、何かで引っ掻いてしまったのだろう。
明日は美容院に行ってから空港に行こう。
そう決めて、眠りに落ちた。

あなたが隠してる事、私知ってるんだよ。
あなたが嘘つきだって事も。
作品名:嘘つき 作家名:すのう