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嘘つき

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そうかぁー。結婚してるのかぁー。

旅先、日付が変わる頃まで友達と飲んで、泊まっているホテルが近い友達と一緒に帰った。
駅を挟んで反対にある、彼女が泊まっているホテルと私が泊まっているホテル。
半年ぶりに会った友達だったので、別れがたくてホテルの前でずっとしゃべっていた。
気付けば深夜2時を回っていた。
その中でどういう訳か彼が結婚しているという事実を知らされ、
「ふーん。別にショックはないな、この歳になると」
なんて笑っていられた。
その時は本当にショックも何もなくて、何年か前の夏に見かけたボブカットの女性がそうなんだろうなー、ぐらいの感じだった。
お互い明日(日付が変わっているので当日)の夕方の飛行機で帰るので、「じゃ、また半年後にね」と別れた。
人気の少ない道を歩きながら、空を見上げた。
地方の大きな都市らしく、星は殆ど見えなかった。

作品名:嘘つき 作家名:すのう