裸の美少女
不動産屋に合い鍵を返却してから帰宅する途中、携帯電話が鳴った。
「はい。大塚ですが……」
「あの子は何?!新しい彼女?!」
芝原野里香の声だ。その刹那、大塚は彼女が合いカギを持っていたことを思い出していた。
「違うよ!未来からタイムマシーンで来た子で、俺の部屋に、勝手に入ってしまったんだよ」
「ばーか。もうちょっとまともな嘘を云えないの?最低ね!」
「嘘じゃないって。俺の部屋の入口がタイムマシーンの出口だったんだよ。だから……」
「わたしね、布団から出なさいって、云ったのよ。そしたら、裸だからだめだって、云われちゃった。茂幸。あんたも大したスケコマシだね。わたしはあの子と違ってブスかも知れないけどさ、付き合って三年で、まだキスもしてないんだよ。それなのに知り合ったばっかりの子と、セックスしちゃったんだね。茂幸がそこまでの面食いだったなんて、がっかりだよ。もう、あなたとはさようならよ。合いカギはあの子に渡したからね!」
そこまでで電話は切れてしまった。大塚は茫然としていた。そのとき、背後からけたたましくクラクションを鳴らされた。
「この野郎!道の真ん中で何やってんだ。邪魔だ!どけ!」