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裸の美少女

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裸の娘



 ドアを外からロックする直前に、裸の娘が部屋の中に入ってしまった。大塚は驚いた。我が眼を疑った。白い裸体が彼の後方からすっと吸い込まれるように、入って行った。鍵が手元にないことに、彼は気付いた。ドアノブを回そうとしても、殆ど動かなくなっている。ロックしたのだから当たり前だ。
 大塚茂幸は自転車で街に彷徨い出た。どうしよう。困った。とりあえず、明日の朝からの仕事はどうするか。制服が部屋の中にある。会社に行って相談すれば、貸してくれるだろうか。
 それにしても、あの娘は一体何者なのだろう。一糸まとわぬ姿だった。そんな姿で、どこから来たのだろう。
 自転車での移動を始めてから、次第に現実味が薄れて来る。あり得ないことだ。聞いたこともない話である。ストリーキングが昔はニュースになったことがある。最近はどうなのだろうか。
「済みません。部屋の鍵を閉じ込めてしまいました。合いカギを貸してください」
 不動産屋の女性事務員に云うと、にこにこしながら貸してくれた。
「気をつけてくださいね。六時までに戻してください」
「はい。大丈夫です。ありがとうございます」
 どんな顔の娘だっただろうかと、大塚は思い出そうとしている。細めで、スタイルはかなり良かった。色白で、きれいな肌だった。髪は長かった筈だ。きれいなストレートの髪だった。だが、顔は思い出せない。見なかったのかも知れない。いや、横顔を見た気がする。美しい横顔だったような気がする。年齢は十四歳から、十八歳くらい。
作品名:裸の美少女 作家名:マナーモード