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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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レイプハンター 後編

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警察には事情を話して駐車違反を免除してもらい浩介はこの後捜索願を出すつもりだった。
「妻の行方は依然わかりません。知り合いには電話をしましたが実家も含めて手がかりはありません。もう警察に頼むしかないようです」
「そうでしたか・・・奥様の携帯電話の番号教えていただけませんか?」
「何度かけても出ませんから無駄ですよ」
「いえ、掛けません。最後にどこに掛けたか調べるのです」
「本人の携帯はありませんよ!調べられないじゃないですか」
「任せてください。何番ですか?」
不思議な顔をしながら浩介は番号を教えた。
車から持ってきたノートパソコンを携帯会社のサポートセンターに繋ぎ、回線の履歴をチェックした。もちろん複雑な侵入経路を
難なくクリヤーして。

「一昨日の深夜に発信されているのが最後ですね。番号は090・・・心当たりはありますか?」
「掛けてみましょうか?思い出せるような番号じゃありませんので」
「いえ、私が掛けてみます。コンピュータが奥様の番号で発信するように細工します。きっと相手はビックリして出るでしょうから」
「そんなことが出来るのですか?先ほどの手順といい、翔子さんは何をされているのですか?教えては頂けないのですか?」
「今は教えられません。いいですか?掛けますよ」
ノートパソコンに繋がっている翔子の携帯は発信者番号が浩介の妻の番号になっていた。

前田と名乗った男は翔子たちがいる前のマンションに住んでいた。
部屋にあった携帯が鳴って発信者名を見ると「雅子」と出た。
「まさか・・・そんなはずが無い!」前田は動揺した。昨日の夜に死体を始末して多摩川に捨ててきた筈なのに本人から掛かって
来るなんて思えなかった。間違いであって欲しいと受話ボタンを押した。

「はい・・・」
「浩介さん!出たわよ・・・任せて」
翔子は妻になった振りをして応答した。

「雅子です」
「バカな!誰だお前は本当の名前を言え」
「雅子よ。何言ってらっしゃるの・・・前田さんでしょ?」
「俺は前田じゃない」
「じゃあどなた?間違い電話かしら」
「そうだ!切るぞ。失礼な」

しばらくしてもう一度掛け直した。

「いったいどういうつもりだ。間違いだって言ってるだろうが」
「前田さんですよね?雅子ですよ。何が間違いなんですか?」
「雅子は・・・居ないはずだ。電話が掛かってくるはずが無い。お前は誰だ!」

浩介は雅子が居ないはずだと断言した前田の言葉に動揺した。「まさか!」の思いに動揺を隠せなかった。
「翔子さん居場所を聞いてください」

「前田さん?今ご自宅にいらっしゃるの?」
「それがどうした。知らないくせに」
「知っているわよ、残念だけど・・・もうすぐお伺いさせて頂きますから」
「バカ言え!俺を誰だと思っているんだ!くそ・・・」
そう言って携帯を床に叩き付けた。鈍い音が聞こえてその後は何も聞こえなくなってしまった。

「壊したようね。ここのマンションだからきっと探せば見つかるわ。顔は知っているから・・・浩介さん待っていてください」
「一緒に行くよ。僕だって心配なことがあるから」
「いけません。相手は危険な奴です。任せてください」
「あなたは女性ですよ、どうしてそんな自信があるのですか?」
「後ですべて話しますから・・・」
翔子はマンションの階段付近で耳を澄まし、じっと扉が開く部屋を待ち構えていた。

二階の中央付近で扉が開く音が聞こえた。すばやく階段を駆け上がり出てきた男に声を掛けた。
「前田さんね・・・私の顔覚えているでしょ?」
一瞬何を言われているのか判断しかねた前田だったが・・・思い出していた。
「何故だ!お前は俺がこの手で殺したはずだ。何故ここに居るんだ?くそっ!死んでいなかったのか」
「残念だったわね。もう諦めなさいよ。どこにも逃げられはしないから」
「ふん!同じようにするだけだ」
そう言うと前田は翔子に飛び掛り首を両手で締め付けた。

「何をするの!殺人の現行犯でお終いになるわよ」
「見つからなきゃ、わかんないのさ」
「いつまでもそんなことが通用すると思っているの!」
翔子は前田の手を振り払うと、開いていたドアーから前田を家の中に引きずり込んだ。

「くそっ!えらい力だなあ・・・いつの間に身につけたんだ」
「おとなしくしなさい!質問に答えるのよ、いいわね」
「ふん!誰が話すものか」
「私は翔子、あなたは前田さんよね?本名じゃなかったら本当の名前を教えて」
「何も答えないと言っただろう」
「手荒な真似はしたくないの・・・素直に答えてくれない?」
「俺と勝負しようというのか?面白い、やってみろ。相手になってやる」
「あの時の私じゃないのよもう・・・死から甦ったのよ、目に見えない力で」
「何を訳のわからない事を言っているんだ」
前田はそう言うと、机の引き出しにしまっておいたナイフを取り出し翔子の目の前に差し出した。

「やめなさい!そんなもの振り回そうなんて・・・」
「ビビッたのか・・・謝って服を脱いだら許してやらないでもないぞ」
「あなたには反省するという心が全く無いのね。私を再び殺す前に聞かせて・・・
雅子さんはどうしたの?」
「あいつは殺した。今頃多摩川の下流か海で浮かんで大騒ぎになっているか、底に沈んで二度と浮かんでこない運命に
なっているかだろう。何故知っているんだ?」
「車の持ち主の母親だからよ」
「良く調べたな・・・俺にやられた執念か?」
「まあね。雅子さんとあなたの接点は何?」
「雅子と・・・聞かなかったのか?」
「聞けなかったのよ。まさかあなたと繋がっていたとは思わなかったからね」
「ふん、あいつはな俺の同級生なんだよ。偶然出会って、話しかけたら仲良くなった。旦那が仕事で忙しくして自分を
振り向いてくれないと嘆いていたよ。かわいそうに思ったから抱いてやった。強引にしたんじゃないぞ。
あの日は息子の車でやって来たから借りただけのことだ。俺は車を持たない生活をしていたからな。足が着くことを
警戒してのことだ」
「それで人の車を借りたり盗んだりして犯行を重ねていたのね。あなたをレイプに駆り立てるのは何が原因なの?」
「したいからさ。他に何がある?」
「何故殺してしまうの?」
「初めは殺さなかった。あることを境に殺すようになった」
「なによそれ?」
「本気で騒がれたからだよ。みんな終わった後はおとなしくして泣いているだけだったが、一人気を吐いて警察に訴えると
喚く奴がいたから、つい首を締めた・・・それからは二度とそうならないようにやった後は殺してきた」
「住居不法侵入、強姦、殺人、死体遺棄・・・あなた死刑ね」
「捕まったらな・・・警察は節穴だから捕まえられない。騒ぎは大きくなっていても絞り切れていない。何故だか解るか?」
「手口が異なるか、動機が掴めないからね」
「それとお前みたいな車にホイホイ乗ってくる来る女が結構いるんだよ。こちらから襲いかからなくても相手からやってくるんだ」
「困っているところにつけ込む要領ね・・・雰囲気は優しい叔父様だから油断するのよね。本当に悪い人ね」
「もう解っただろう。お前が最後だ。この辺でしばらく止めないとそろそろやばいからな。可哀そうだが、覚悟しろ」