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遠い記憶

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 夏休みは母に連れられ、蒸気機関車に牽かれる列車に乗り、母の実家へ行った。トンネルの中で窓から顔を出し、顔が黒くなった。その家では牛が飼われていた。丸木橋から川に落ちて肺炎を起し、苦しい想いをしたことがあった。夕暮れ時の箱根の連山と富士を、紫色のクレヨンで描いた。夜は蛍を取りに行った。蛙の鳴き声がうるさかった。漆黒の夜空には天の川が見え、流れ星に驚かされた。









作品名:遠い記憶 作家名:マナーモード