カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~
さて、ユニオン駅で降り、美月は地下にある酒屋さんに入った。
アイスワインを買うのだそうだ。
「アイスワイン?聞き始め。何それ?ワインが凍ってるの?」
と聞くと、美月が、
「ナイアガラでしか作られてないんよ。食前酒みたいに甘いんだよ」
と教えてくれた。
そこで、わたしもお土産用と自分用に一番小さい50mlのボトルを2本買った。本当は大きいのが欲しかったけど、これからCNタワーに行くのに重いのはいやだものね。
日本に帰って早速飲んでみた。
本当に甘かった〜。濃厚な甘さだ。でも、味わい深い美味しさだった。
普通のワインのようにたくさんは飲めない。
アイスワインは木でそのまま完熟させて冬を待ち、そして真冬の12月から2月、マイナス8℃を超えるのを待って収穫されるらしい。
自然に凍ったブドウを手で摘んで凍ったまま搾るそうだ。その絞り汁は一房でスプーン一杯しか取れない貴重なものだと言う。
しかもその果汁はふつうのワインの8倍ほどの時間をかけて発酵させる。
手作業と時間をかけるため、普通のワインより濃い甘味と香りの高級ワインとなるらしい。
アイスワインとは凍ったワインではなく、凍ったブドウから搾り取ったワインのことだった。また一つ賢くなった。
ちなみに、ナイアガラのワイナリーにツアーで行った美優の母(私)へのお土産がこのアイスワイン200mlだった。さすがわが娘だ。母がお酒好きなのを良く知っている。
お土産のワインを背中のデイバックに入れ、満足してCNタワーに向かった。
駅舎とタワーはすぐ近くに見えるのに、歩いた歩いた。スカイウォークと言う直通になっている通路を歩いた。
広いその通路にはあまり人はいなかった。通路の両側には日本の有名な自動車会社の新車の大きな大きなポスターが何枚も貼ってあった。キャンペーンイベントがあるようだ。
それを見ていると、カナダにいるという気がしなかった。
ずいぶん歩いた。
やっとスカイウォークが途切れ、CNタワーが見えた。
「わあ〜(^0^)/]
巨大なコンクリートの足が目の前。目をずーっと上に向けると…、真っ青な夏空を突き刺すように、タワーがそびえていた。
クラクラして体が左右に揺れそうだ。
目の高さに戻すと前方には、大きなドームが見えた。『ロジャース・センター』と書いてあった。
ドームと言えば野球場という印象しかなかったが、ここは野球だけではなく、フットボールチームのホームスタジアムでもあり、コンサートやイベントも催されるらしい。
野球……ロジャース……野茂秀雄……アメリカンリーグ……???
何でカナダのトロントに、アメリカのメジャーチームのホームグラウンドがあるの??と思った。
「ロジャースって、あの野茂がいたとこやんね。なんでカナダにホーム球場があるんやろ。ここまで来るんやろか?」
不思議でならなかったので、そうつぶやいた。
「……それって、ドジャースと違う?」
と美月が言った。
「……あ、そうや!ドジャースやったわ。アハハ^0^」
やっと解決。すっきりした。
日本語での発音は難しいものだ。
作品名:カナダの自然に魅せられて ~トロントへ~ 作家名:ねむり姫