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カナダの自然に魅せられて  ~トロントへ~

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姉たちはその前に、タワーに登ってナイアガラの滝を上から眺めてきたらしい。
「遠くまで見えたよ〜」
(うーん、私もタワーに登りたかったのに…。)
「それで、滝の裏には行けたん?」
「ううん、やっぱり、遅くなるから裏に行くのはやめてん」

私は私で、バスの中で青いカッパを落としてしまい、それを拾われて持って行かれてしまったこと。
バスディーポに着いてから困って、地図を買ったことなどを話した。
もちろん、それを見ながら迷わずに帰ってこれたことを自慢するのは忘れなかった。

「ところで、明日どううする?お母さんたちで決めてね」
と美月は言った。
美月はトロントでもう1泊してから、ケベック州を回るのだ。
わたしたちの観光は午前中でおしまい。
16時の飛行機でバンクーバーに戻る。美月ともお別れなのだ。

トロントにはどんなところがあるんだろうとガイドブックで調べてみた。
初代トロント市長だったマッケンジーが住んだ家がそのまま残されていると言うマッケンジー・ハウスやナイアガラの水力発電でお金持ちになった人の家があるらしい。
そのカーサ・ロマは中世ヨーロッパのお城のような建物なんだそうだ。
私は、トロント動物園に行きたいなと思った。でも、動物園は子どもを連れて行くところと思っている二人は賛成しないだろうな。それに、カナダのことだからきっと広い広いところで、午前中だけなんて無理だろう。

そこで、結局、交通が便利なユニオン駅の近くのCNタワーに行くことにした。
美月は行き方を調べ始めた。
今回の旅は、私たちが行きたい所を言って、後は美月に任せるという方法を取ってきた。今回はそういう意味では本当に楽な旅行だった。

今まで友人たちと行った旅行は、
「どこでもいいよ。みんなで行けたら」
という旅行ばっかりだったので、私が行き先を決め、ルートも、宿も決めていたから、それを思えば本当に気苦労をしない楽な旅行だった。

行き先が決まると私たちは荷物をまとめ、シャワーを浴びて寝ることにした。
CNタワーは、地下鉄で行けるので朝はゆっくりでよかった。



ここB&Bは朝食付きだ。
パンを自分でトースターで焼き、果物とコーヒーがついている。
パンはブルーベリーのパンがあったり、いろんな種類を置いてくれている。
自分の好きなパンを好きなだけ食べることができる。

果物はりんごやみかんだが、丸ごと置いてあるので、自分で剥いて食べるのだ。
ナイフはあるがまな板がない。ドイツから来ているという娘さんは手の上で器用に切っていた。〜〜〜そんな怖いこと〜〜〜〜。やっぱり私は不器用か…。

ここのオーナーはカナダ人のご主人に、日本人の奥さんだと前に書いた。スタッフさんも日本人。
そして、到着したときは民宿形式なのに驚いたが、とてもお安く泊めてくれる。しかも後でわかったのだが、このB&Bの建物は1897年に建てられたもので、ビクトリア朝様式の白いレンガのお城風で歴史のある建物だった。
1897年…100年以上も前!?
そんな素敵なところに泊まることができたんだ。

地下1階、地上3階の4階建ての建物。私たちは地下の一番広いお部屋を使わせてもらった。

さすがに100年以上経った建物は老朽化が進んでいる。
シャワーの排水やトイレの排水など、メンテナンスが大変だろうなと思った。
でも、オーナーの愛情がこもっていて丁寧に、丁寧に使われていた。