第三章一話 休息の時間
そして準備が終わり少しずつ集合場所に集まってるとき墨田の近くに一人の男の子が近づいてきた。
「ねぇねぇ、僕の名前は若林源五郎って言うんだ。場所は住之江。君は?」
「・・・・・」
墨田は名前を言わずに前に進んだ。
あいつ、まだあのことを。
俺はその若林って子に近づいた。
「すまんな。俺達がここに来るまでに何人も仲間が死んでちょっと精神参ってるんだ。」
「え・・・・いえ・・・・」
「あいつの名前は墨田燈瑚。場所はしらねえ。あいつ見た目はああだが話すと結構いい奴だぜ?本当に仲良くしたいんなら話続けろ。」
「あ・・・はい!ありがとうございます!」
フゥ、俺も世話好きだなと思ってしまった。
だが、あいつが船に乗ってから本当に精神が少しずつおかしくなっていったのは事実だ。
いや、あの船に乗っていて正気を失わないほうがおかしいのだろうか。
俺は少し自嘲気味に思った。
「一宮、行こう。」
「あぁ、今行く。」
俺は今の友達のところへと進んだ。
さぁ、墨田。お前はどっちの手を差し伸べるんだ?
死者の仲間の手か?
それとも
生者の仲間の手か?
作品名:第三章一話 休息の時間 作家名:sanze1991