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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十一の二  【楽】


【楽】、元の字は【樂】
木に「繭」(まゆ)のかかる様を表した「櫟」(くぬぎ)の木、その象形だとか。また、木に鈴を一杯付けた祭礼用の楽器の象形だとか。いずれにしても浮かれ出したくなる字体だ。

「楽は苦の種、苦は楽の種」
世間ではこんなことが言われてるが、「楽は生の種」なのかも知れない。

そんな【楽】、人によってその味わい方はそれぞれだ。
歌を唄って楽しい。ものを書いて、気分が高揚する。絵を描いて、時を忘れる。
みんなの楽しみ方は様々だ。しかし、そこには共通点がある。
【楽】の真っ最中、脳内ではドーパミンという物質が溢れ出ている、
ドーパミン、それを化学記号で表せば、極単純な「C8H11NO2」。
とにかく炭素、水素、窒素、酸素の組み合わせだけで…もう幸せ気分。

ならば、もっと楽しい気分になるためには、もっと「C8H11NO2」を増やせば良い。
ネットで調べてみれば、その一番目の答が…「神を信じること」でした。 
これって、どやさ? …だよなあ。

さてさて脳内ドーパミン、一般市民的には「C8H11NO2」を増やすために、何をすれば良いのだろうか?
さらに調べていけば、答があった。
レバーを食べろ、と。

いやはや、神を信じることより、こちらの方がなんとなく信憑性(しんぴようせい)がありそうな気がしてくる。
ひょっとすると、ニラレバ炒めは【楽】の種なのかも知れないぞ。