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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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八の二  【滞】


【滞】は、「さんずい」に「帯」。
この「帯」は「おび」に「巾」(前掛け)を着け、ぎゅっと締め付けている形。
そこに「?」が付き、【滞】は「水」が「帯」で締められたように流れずに、とどこおっていることだとか。
こんな解釈に、「うーん、なるほど。しかし、ちょっとこじつけ?」と呟きたくもなる。

さらに、【滞】は前に同じ意味の「渋」を付けて『渋滞』となる。
車の渋滞、誰しもこれにはウンザリだ。
だがこの渋滞、それはその長さではない。車の走行スピードで定義付けられている。

一般道では二〇キロ/時以下、高速道路なら四〇キロ/時以下になったら、『渋滞』と言うらしい。
やっぱり車が連なった距離で『渋滞』とした方がピンとくると思うのだが…。

そんな渋滞を、数学の微分方程式を使って解消しようとする学問がある。
それは「渋滞学」が呼ばれ、最近脚光を浴びている。
実例としては、東日本大震災の被災地に、いかに渋滞を起こさずに物資を運ぶとかだ。

そんな渋滞学が近々カーナビ渋滞情報にも取り込まれるとか。
そのポイントは、渋滞している道があり、そして抜け道があった場合、三割の人たちだけに、カーナビは抜け道ありとの情報を流す…そうな。

なぜなら、
みんなに流すと、抜け道も混んでしまうから…だって。

そんなの…これ学問?
ちょっと不公平じゃないの?
こう思うのも、脳の血液が【滞】っているためなのかも知れない。