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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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四の六  【恋】


【恋】、この古い字は【戀】
漢字の上の部位は「乱」(もつれる)と言う意味があり、心が乱れることらしい。

そして、そんな【戀】、万葉集ではまた違った形でも詠われている。
例えば、
『葦垣の 外にも君が 寄り立たし 【弧悲】けれこそば 夢に見えけれ』

恋は【弧悲】とも詠まれた。すなわち【恋】とは【弧悲】で、独り悲しく思うということらしい。
しかし、最近の世間ではこんなことが囁かれている。
 「愛」は、漢字の真ん中に「心」があるから、それは「真心」。

だが【恋】は、下に「心」があるから、
はい、それは…「下心」で〜す。

うん、確かに、これに納得する紳士淑女、たくさんいるかもね。
そんな下心一杯の【恋】、それは初恋から始まる。
そして失恋したり、灼熱の恋をしたり、中には道ならぬ恋にまで頑張っちゃう人がいたりして、
やがて【恋】は…【弧悲】になる。

だが不思議なものだ。男も女も決して懲りないのだ。
ならば風流に…都々逸でも。

♪〜♪ 【戀】という字を分析すれば
「糸」し「糸」しと 「言」う「心」 ♪〜♪