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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十六の六  【週】


【週】、「しんにゅう」の上に「周」が乗っている。
「周」は方形の盾を十字に区分けし、そこへ模様を彫刻した形だとか。
そして【週】は七日間の時間単位。

歳を重ねてくると、朝が来て、夜になり、すぐ朝になる。
一週間が実に早い。そして、一ヶ月も一年もあっと言う間に過ぎ去っていく。

さらに言えば、人の一生は、まさに「白駒(はつく)の隙(げき)を過ぐるが如(ごと)し」だ。
これは老子の言葉で、人の一生は壁の隙間から見ていて、白馬が通り過ぎていくようなものだということだ。まことにそのように感じる。

そして、我が悪友の高見沢一郎も…生意気に、「人の一生は、一週間のごときもの」とほざいている。
つまり、〇〜九歳は月曜日とし、そこから曜日を重ねていく。高見沢は、人の一生とは次のようなものだと言う。

〇〜九歳   : 月曜日
一〇〜一九歳 : 火曜日
二〇〜二九歳 : 水曜日
三〇〜三九歳 : 木曜日
四〇〜四九歳 : 金曜日
五〇〜五九歳 : 土曜日
六〇〜六九歳 : 日曜日

さてさて、貴方は今…何曜日?
週末の花金? それとも土曜日?

日曜日はやっぱりハッピーサンデーであって欲しいものだ。
だが最近は七〇歳以上の方も多い。この一週間カレンダーを乗り越えて、もう一度月曜日からやり直す豪傑もおられる。
また、そこからもう…おまけ。後は日曜日が続くだけとする人も多い。まったく人それぞれだ。

だが、戦時中の一週間…『月月火水木金金』、これだけは御免被りたい。

とにかく【週】という漢字、模様が彫刻された盾の形。
だからなのだろうか、そこに彫られる人生模様は…様々ということなのかも知れない。