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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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十六の三  【滅】


【滅】、この字の右部は呪文を唱え、火を鎮める意味だとか。それに「さんずい」が付いて、水で火を消してしまうこと。
これから「すべてがほろびる」となるらしい。

そして【滅】は、多くの四字熟語をつくる。
盛者必滅から始まり、滅私奉公などなど。
その中で最も耳にするのが…「支離滅裂」。
この「支離滅裂」の語源、調べてみたら、これがまた支離滅裂で、結局は「ありません」と結論付けられていた。

それではその反義語は?
それは「理路整然」。少し違うような気もするが、この熟語を見て、「支離滅裂」からなにか抜け出せたようで…ホッ!

そんな【滅】、六千五百万年前に恐竜が【滅】びた。
原因は、小惑星が地球に衝突したから。
場所は、メキシコ・ユカタン半島のチチュルブ(Chicxulub)という所。二年前に、これは事実だったと確定した。
惑星の直径は十キロメートル。そして、衝突した時のスピードは秒速約二十二キロ。衝突時のエネルギーは広島型原爆の約三億倍。

そして、これにより引き起こされた地震はマグニチュード十一以上。津波の高さは約三百メートルだったとか。
黒煙が地球を覆い、三年後には世界が氷点下になった。これで恐竜が絶滅した。
このような出来事は一億年に一回起こるそうな。

あの時から六千五百万年経ってしまった。だが、まだ三千五百万年も残ってるぞ…とは言っても、明日小惑星が落ちてきても可笑しくない。
もし落ちれば、盛者必滅も滅私奉公もあったものではない。
要は、茶も滅ぶほどの全滅で、「滅茶苦茶」となる。

さらに【滅】、もう一つ述べれば、
こういうエッセイの展開を…支離【滅】裂というらしい。