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炎舞  第一章 『ハジマリの宴』

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プロローグ



                 一    
 
 鼓動を感じる。
 不気味に、高鳴っているのを感じる。私の中に、『鬼』が潜んでいるような鼓動。
 殺して!
 誰か殺して!
 産みたくない!こんな穢れた子を!!
 私の腕と足は押さえつけられ、室内に響く私の声は、慌ただしく行き交う人々の足音でかき消されてしまう。
 その時微かに、自分の中から自分のものでない声が聞こえた。
 低い、すごく低い、唸り声。それはまるで、―――――鬼の産声。
「男だ―――」
「―――男」
「ついに産まれた。悪しき魂をもつ童―――」
 人々が沢山の眼で、泣きわめくソレを見つめていた。
 生きている?
 そうか……生きている。
 じっと、じっと、私はソレを見つめた。
 ――――同じ色。私と同じ、瞳の色だった。
 そう、充分過ぎる理由。この子が私を選んだ理由――――。
「くす…くすくす」
「!? 凛、どうし―――」
「角は……どこに隠したの? あぁ…その深紅の瞳は血の涙を流したのね。可哀想な子……鬼から産まれたのね? あなたは鬼の子…?」
 眼の縁に浮いた感情を最後に、凛と呼ばれた『私』の世界が閉じた――――。
 
 〝私も鬼の子なの 一緒に死にましょう 鬼の子さん〟