Ambassador of chaos K かなしき記憶
ある路地裏に薄暗い所には似合わぬ、一軒の花屋があった――
そこで経営しているのは、店長と若い青年二人。
ならんでいる花の種類・色は様々なせいか、または働いている二人の青年がすこし美形なせいか客足が絶えたことがない。
しかし、その花屋は表の顔――
裏……いや、本業は『何でも屋』と言ったものに近い。
『何でも屋』というからには、勿論いろいろなことをする。
過去の依頼では、美術品を盗めという強盗の依頼から子猫探しとかいうベタな依頼まである。
このような依頼は、表では花屋の青年として働いている二人がこなしていた。
彼らは、主犯と助手で成り立っているコンビだ。
一人を『K』。
もう一人は、『S』と呼ばれている。
本名が明らかになっているのは『S』で、『K』は多数の偽名を持っており、本名は定かではない。
そう……『K』が主犯なのだ。
彼は、天才ハッカーで『何でも屋』のエース。
別名『混沌の使者』。
『S』は、彼の三番目の助手。
今からの話は、『K』と『S』がある依頼を受け、そして最悪のトラブルが起こってしまったときの物語である――
作品名:Ambassador of chaos K かなしき記憶 作家名:鬼城 地球