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鬼城 地球
鬼城 地球
novelistID. 15205
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Ambassador of chaos K  かなしき記憶

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「何を話したのさ?」
「齊藤さんが俺に[いつか捕まえて実刑下させてやります]ってさ」
「ええ!? まさか、齊藤さん京介のこと気づいてるんじゃ……」
「まぁ、最初から俺を見てたんだろうな……木村じゃなくてさ」
「それで、京介はなんていったのさ」
「[いつでも待ってます]って言ったよ……今後のスリルのためにね」

Kは、車のドアを開けてエンジンをかけた……Sはポカーンっとしてたが、置いて行かれると思って慌てて車に乗った。
帰りの車内はとても静かだった――

「なんか、今回の殺人事件って悲しい事件だったね」
「そうか?」
「だって、お父さんって知らずに殺しちゃったんだよ!?」
「俺は、そうは思わないな……苦しい方の悲しいでなくて、愛する方の愛しいだと俺は思うね」
「愛する方の愛しい?」
「ああ、多分木村は娘に親が組の頭だってことを知られたくなかったんだろう……それで記憶を消させた……その時にとっさに思ったんだろうな、憎しみの記憶でもいい、自分の顔が愛娘に残るのならと思って、憎しみの記憶の中に自分の顔を残したんだろう……」
「Kどうして、それを愛って思うのさ」
「S、お前には話してなかったな、俺の記憶のこと……俺には十年前以前の記憶がない……親の記憶も育てられたという記憶もない……あるのは、今の記憶だ」
「つまり、奈美さんの記憶はKの記憶より親からの愛が感じられるって言えるのか……」
「愛だと俺は言うさ[憎しみでも自分の顔が残ってればいい]……立派な親の愛じゃないか」

白く染まった山々に二人の車は、溶け込むように消えていった。