小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

合コン

INDEX|1ページ/16ページ|

次のページ
 

合コン



 田野倉誠は、毎週木曜日に『社教』の講習室で油絵を描いている。彼が全部で二十五人を数えるその絵のグループのメンバーの一員になったのは、去年の秋からである。
 今日は先週と同じ女性メンバーの一人をモデルにして、人物画を描いた。紅いチャイニーズドレスを着て、椅子に座っている女性は、年齢が二十八歳らしい。同年齢の田野倉は、その姿を或る程度魅力的だとは思ったが、描いた絵は失敗作と呼ぶしかないようなものになってしまった。ほかのメンバーの作品を見ても、稚拙なものばかりだった。
 午後八時半に集まった社教の近くの居酒屋で、いつもそこに顔を出す独身男のメンバー五人が、異口同音に嘆きながら口にした結論は、人物画は難しいということだった。だから当初はいつになく、飲んでもあまり盛り上がらなかった。
 話が途中から異様に盛り上がったのは、内藤という男のひとことのせいだった。
「あっ!忘れてた。今度、合コンをしたいんだけど、参加したいヤツ居る?」
 内藤は郵便局で働いている二十七歳の男で、頻繁に登山をしているという。
「相手がオールドミスの集合体だったら、参加しないよ」
 笑いながらそう云ったのは、竹山だった。彼は新聞配達をしながら大学に通う苦学生で、年齢は内藤と同じ二十七歳である。
作品名:合コン 作家名:マナーモード