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純愛  物語詩集 第一巻

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僕はわかっていた

なぜ君が ここに来て
なぜ今 ここにいるのかを

そしてなぜ
そこまでも 無言のままなのかを

僕は感じていた 匂いを

君の心の奥底にある
あいつの

そう あいつの嫌みな匂いを

そして 「ごめん」と一言
僕は君に謝った

君は黙ったまま コクリと頷いた

それはまるで
僕が
「ごめん」の言葉に包み込んでしまった意味を

慮(おもんばか)ったように

それは多分
「僕は 君を 抱く気分になれない」
そう見透かしたのだろう

そんな冷酷な仕打ちに 君は反発したかのように
冷えた身体の震えを抑え込んでいた

そして僕達の間に
長い沈黙が

ずっと
そして ずっと