未来のプロフィール/他
21世紀の憂鬱
〜1番〜
[Aメロ]
世界で一番好きな歌は
『FLY ME TO THE MOON(私を月まで連れてって)』
パートナーは宇宙飛行士(アストロノウツ)で
宇宙ステーションで出遭うのよ
[サビ]
夢はそんな新世紀
ふたを開けてみれば
見栄えのしない新世紀
何かが多すぎて
何かが足りてない
こんなモンなの?と訊けば
そんなモンだよと声がした
遠い未来の日付は過去に
HALとアトムはまだいない
〜2番〜
[Aメロ]
世界で一番好きな場所は
銀に輝くロケット発射台
計画では子供たち連れて
火星経由のガニメデまで
[サビ]
夢はそんな新世紀
期待していたのに
名前負けだね新世紀
何かが邪魔をして
何かが見えてない
ダマされちゃった!と言えば
ダマしちゃないよと声がした
遠い未来で博士が笑う
HALとアトムも笑ってる
[サビ]
夢みたいな新世紀
期待しすぎたかな
昨日と同じ新世紀
何かが焦ってて
何かがうわの空
ホントに来るの?と訊けば
ホントにいいの?と声がした
遠い未来で博士が憂う
HALとアトムも迷ってる
※2001年7月作成。
遠い未来の日付け:A・C・クラークの小説『2001年宇宙の旅』も
『2010年宇宙の旅』も、アトムの誕生日である2003年4月7日も
すっかり過去になってしまった。残るは『2061年宇宙の旅』だが、
生きてるかが微妙、というか無理。確実に無理。
HAL:『2001年宇宙の旅』、『2010年宇宙の旅』に登場する
スーパーコンピューターの名前。かのIBMを一文字ずつ前へずらし
命名したとの説はあまりにも有名だが、クラークはこれを否定してる。
正式には《Heuristically programmed ALgorithmic computer》
(発見的プログラミングをされたアルゴリズム的コンピュータ)の頭文字
だとか。私は映画版『2010年』を観たおり、HALに感情移入
しすぎて大泣きしたことがある。因みに探査機はやぶさにも同調し
泣くことができる。あの帰還劇はまさに《真実は小説よりも奇なり》。
“彼”が最期の力を振り絞って撮った母星・地球の画像にはヤラレタ。
アトム:手塚作品の中では『鉄腕アトム』が一等好き(次点は『火の鳥』)。
私は以前「アトムを弟にしたい」というSFバカも大概にしろといった
願望を、母に向かって言い放ったことがある。対する答えは
「抱っこしたときに、あの頭が刺さりそうで怖いからヤダ」であった。
無視どころか母親目線を貫いての返答…「参りました母上」であった。
因みにアトムは女の子という説がある。「だから靴が赤いんです」
という手塚氏の談を、どっかの何かで読んだ気がする。
作品名:未来のプロフィール/他 作家名:夏生由貴