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第１章　報復

　　　第４話　『やっかいな存在』

【時間軸】　…　異次元暦４２７３５年　１月２６日　夜
【場所】　…　７５８号世界
　　　　　　　中京都（旧愛知県）　中京都軍本部倉庫エリア



　守山はひたすら白鳥を蹴っている……。白鳥が守山がやったことを告げ口したからだった。守山がメインで蹴っているのは下腹部で、そこにいたらしい少佐と白鳥との胎児は、間違いなくもう死んでいた……。まあ、どちらにしろ、少佐に中絶させられるだろうが……。
　白鳥はもうあきらめた様子だった……。それより、自分の身の心配をしなくてはいけない。

「……こんなことして……ただで……済むと思ってるの？　私は、ＣＲＯＳＳの一員なのよ！」
仰向けに白鳥は蹴られながら守山に叫んだ。しかし、守山はひるむことなく白鳥を蹴り続けた。
「あんたは、極秘で中京都軍に潜入していたんでしょう？　だったら、あんたが死んでも、文句を言えると思う？　極秘任務がバレちゃうわよ！」
守山は不気味に笑いながらそう言った……。
「……私たちＣＲＯＳＳを……舐めないことね！」
白鳥も負けない調子で叫んだ。
「ふん」
守山は蹴るのやめた。ただ、後が怖くなったからやめたわけではなく、疲れたからのようだ……。
　蹴るのをやめた彼女は、仰向けになったままの白鳥のポケットから、１丁のピストルを取り出した。そのピストルはレーザーピストルで、ＣＲＯＳＳという文字が刻まれていた。
「……いいもの持っているじゃない？」
守山はそう言うと、そのピストルを白鳥の下腹部にある「大事な部分」に押し当てた……。
「……な、なにするのよ！？」
当然、白鳥は守山にそう尋ねた。だが、何をするつもりなのかぐらい、白鳥はすぐにわかった。
「……これでじっくりと楽しめよ！！！　クソ女！！！」
「やめて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！」
守山はピストルのトリガーを引いた……。

　　　プシュン！！！

　ピストルから放たれたレーザー弾が白鳥に当たり、すぐに彼女は白い粉になった……。彼女がいたその場には、粉の山と服だけが残った……。
「ずいぶん、早かったわね？」
守山はニヤニヤと笑いながらそう言った……。

　そして、守山は、白鳥の服を畳んでバッグに詰め、白鳥だった粉の山を、近くにあった箒で平らに広げた……。
「……じゃあね」
守山はそう言うと、その場から走り去った……。