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こんぶ -Reloaded-

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「心身共に好調そのものよ。色々とその節は迷惑と心配をおかけしたわね」
「別に過ぎたことに関してはもうとやかく言わんよ。とりあえず確かに元気そうで何より、かな」
 僕の言葉に山村は微笑んだ。
「貴方も変わらないわね。相も変わらず優しくて心底参るわ」
「皮肉か? それは」
「違うわよ。相変わらず余計な詮索はしないんだなって感心したの。褒め言葉よ褒め言葉。直球で褒めるのは癪じゃない」
「僕は褒めると伸びる子だぜ」
「はいはい、戯言戯言。あら、もうこんな時間じゃない。そろそろ教室に急ぎましょ」
「ってお前がここに呼び出したんだろうが…」
 再会はドラマティックでもロマンティックでもなく、ある種コメディスティックな具合であった。山村に促されるままに、二人して屋上を後にすることにした。

 教室に着くころには山村は普段の調子に、つまりは『愁いの王女』と呼ばれた寡黙な美少女に戻っていた。饒舌になるのはコン部内もしくは敵対勢力と相対した時だけだそうな(本人談)。僕らは席を並べてはいるが、教室内では先ほどのような調子で会話をすることはあまりないのである。ちなみに王女の久々の登校に教室が若干「ざわ…ざわ…」したのは言うまでもない。

 そして放課後。いつもなら部活があるはずなのですぐに教室を出る僕なのだが、今日は隣の席の奴にも声をかけてみた。
「今日部活あると思うんだけど、顔出すか?」
「無論よ」
 そう短く言い切ったあいつの顔は新しいオモチャを与えられた子供のようだった。
作品名:こんぶ -Reloaded- 作家名:黒子