詩集 『サナギ』
「七夕サンセット」
蒼く揺れる笹の葉が呼び寄せた宇宙(そら)の二人
晴れていれば吉
雨ならば凶
古くからの風習
願いの込められた短冊は夏夜の風に揺られ
それぞれの詩を詠んで
天の川に流れて遠く先の未来へと
流れ着くのだろう
青、赤、黄、白黒
五色の願いが
風と共に揺れている
純粋な願いも
馬鹿なお願いも
一纏めにする天の川
七通りの色をした夕日が街の空に輝(ひか)る
今日一日限り
全ての願い事が叶うように
どうか、空よ泣かないで
星の涙と思っていた
大きなあの川は
たくさんの願い事だった
満点の星空の下であの頃、短冊に書いた
願いごとを思い返すよ
夜空に流れる星の川をいつか愛する人と
眺められたらな
七夕の夜に