詩集 『サナギ』
「ラストスカイ」
終わりを告げる小さな悪魔が笑うそんな午後
なんとなく青い空いつも通り
今日はなんだか心地いいな 涼しい風どこまでも吹き渡る
ああ、もう秋か気付かなかったな
「僕は誰だ?何処へ行く?」
記憶喪失を 装って見ても変わらない
死ぬのさ…
もうすぐ僕は死ぬのさ…
最終の空 紅い夕暮れ スライドショーのように流れていく
「生きたい」と強く願うほど 哀しくなるね
いつも通りがこんなに素敵なことだ
なんて気付かなかったんだ
今日までは…
今日までは…
「僕は誰だ?何処へ行く?」
記憶喪失を 装って見ても変わらない
死ぬのさ 全て終わるのさ
もうすぐね
瞳に焼き付けた青い空
青い空…
最期の 青い空…