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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「神のいたずら」 第四章 両親と優

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「碧が無理にお願いしたんでしょ?ご迷惑なんじゃないの」
「先生、一人では行けないって・・・碧が渡した手紙も読めないでいるのよ。一緒なら勇気が出るって思うの」

由紀恵は秀之の顔色を窺った。

「ねえあなた、どう思う?名古屋へ行かせること」
「うん、碧が先生のこと考えてそうしたいって思っているのだから、許してやろうよ。昔と違ってこの頃の碧は随分大人になったって感じられるから、大丈夫だよ由紀恵」
「パパ!ほんと・・・絶対に心配掛けないから」
「パパがそう言うなら、ママも我慢するしかないわね」

碧の名古屋へ行く日が決まった。
夏休みに入る前に母親に一つあることを頼んでみた。それは自分用の携帯を買って欲しいこと。優とこれからメールをしたいと思っていたからだ。

「ねえ、ママお願いがあるの・・・携帯買って欲しい」
傍で聞いていた姉の弥生が、
「なんであなたに必要なの?」
「メールしたいもん」
「えっ?誰と」
「好きな人と」
「まだ早いよ!そんなことするのは」

「弥生、いいの・・・碧には持たせてもいいかなあって考えていたから、早いかも知れないけど買ってあげようと思う」由紀恵は反対する弥生にそう言った。
「ママは、いつも碧に甘い・・・」ひがむ訳ではないが、日ごろそう感じていたから言ってしまった。

「約束する、無駄遣いはしないって・・・」碧はそう言って由紀恵とショップに出かけていった。

学校で優に自分の携帯のアドレスを教えた。
「碧ちゃんもう携帯持っているの?学校へ持ってきては校則違反よ、知ってる?」
「知ってるよ・・・先生とメールしたいから教えただけ」
「約束よ、持ってこないって」
「うん」

隼人としての気持ちから碧としての友情に気持ちがシフトしてこれからずっと傍に居たいと考えられるようになった。始めは、もう会えないと思っていた優の事をこんな形で付き合ってゆけることが素直に嬉しかった。