世界の彼方のIF
解説
2012年は貴重な天体ショー目白押しとのことで、こんな詩を引っぱりだしてみた。彗星接近の当たり年ではないが『ミス・ハレーより愛を込めて』は12年前の作品だ。本作を書いたのは2008年。あるサイトに投稿した折、ユーザーの方から頂いた「ハレー嬢がハルマゲドンの比喩に思えた」なるコメントに思くそ吹いた記憶がある。
いかにも! 私の中では、世間知らずなおてんば娘、口うるさい婆やからいつも小言をくらってる、というのがミス・ハレーのイメージだからだ。
一方の執事は狡猾さを漂わせた熟練かつ老獪なオジサマでなければならない。これはもう絶対だ。当時はドラマや小説、マンガ等でひっぱりだこの執事職だったが、務めているのはみな、なまっちろい若造ばかり。フィクションに独断リアリティを持ちこむなと手綱を引かれても、ウッドハウスの『ジーヴス・シリーズ』や、カズオ・イシグロの『日の名残り』を愛読する身としては「どいつもこいつも、ありえない」と猪突猛進、一蹴させて戴いた。
最後に。旦那様以外の者たちの役割は、以下のとおり。
月 …近侍。主人の身の回りを世話する男性。執事が兼任してる屋敷もあり。
水星 …料理長。上級使用人。単に火元(=太陽)に近いから。
金星 …メイド。単に唯一の女性(=ヴィーナス)だから。
火星 …家庭教師。火星=眼鏡姿のインテリ、という勝手なイメージから。
木星 …フットマン。執事の直属の部下にあたる。
数々の衛星はフットマンが束ねるページボーイ(※小姓のこと)。
土星 …園丁長。上級使用人。数々の衛星は園丁見習い。
土星=穏やかなお年寄り、という勝手なイメージから。
天王星…御者。特に意味はない、余ったから(酷)。
海王星…門衛。単に一番外側にいるから。
で、肝心の執事は?
答えを載せてしまうのはツマラナイので、ご想像にお任せする。