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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・四】ドンブラスココ

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「暑いよ」
蝉は鳴けども風鈴が全くといっていいほど鳴いてくれないそんな日の和室で矜羯羅が言った
「…暑いと思うから暑いんで…でも暑いから暑いと思う…んだよナァ;」
【おしゃれな店・だるまや】と筆書きされたウチワで仰ぎながら京助が言う
「風が全然ないっちゃ;」
少しでも暑さをなくそうとしているのか緊那羅がいつものポニーテールを団子にしている
「…制多迦よく縁側にいて暑くないよな…;」
京助が直射日光バリバリの縁側に座っている制多迦を見て言った
「…そういや…お前等ンとこにも暑い寒いあんのか?」
京助が矜羯羅に聞く
「ないよ…いつも同じ」
暑さに我慢できなくなったのか矜羯羅が頭の布を外した
「だからつまらないんだよ…何も変化がない…そんな【空】よりはコッチにいたほうが退屈しないしね」
少し汗ばんだ矜羯羅の額に髪の毛がくっついている
「…緊那羅ンとこもか?」
京助が今度は緊那羅に聞いた
「うん…そうだっちゃ」
畳みに汗で足がくっつくのか緊那羅が座り直しながら答えた
「ふぅん…に…しても…あっちぃぃぃ~!!;」
京助が足を投げ出して後ろに倒れるとパタパタという足音が和室に近づいてきた
「京助~!!」
風通しがいいようにと開けっ放しにしていた戸口に悠助が顔を覗かせた
「あ~?;」
京助がやる気なく返事をすると悠助が京助の頭の方にしゃがんで顔を覗き込む
「暑い?」
そして笑いながら悠助が京助に聞く
「暑い;」
京助が即答した
「じゃあ海いこ?」
悠助が言った
「…海……海!! そうだ! その手があった!」
何回か【海】を繰り返し言った後京助が飛び起きた
「海?」
矜羯羅と緊那羅が京助を見て言う
「そう!! 海!! でかした悠!!」
京助が悠助の頭をぐりぐり撫でながら言った
「坂田達も多分へばってるから呼ぶべし! ヨッシャー!!」
ウチワを手でパパンと叩いた後京助が和室から出て行く
「…元気だね」
矜羯羅が京助が出て行った後の戸口を見ながら呟くと緊那羅が苦笑いをした