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てっしゅう
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「愛されたい」 第八章 約束の日

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「もちろんよ。美咲が会ってお父さんにいいかどうか見てあげる」
「こりゃ困ったな・・・ダメだしされたら、どうしよう」
「そんな人なの?きれいな人?何歳ぐらい?」

やはり女の子だと思った。関心が強い。どう答えようか迷っていた。

「きれいな人だよ。歳か・・・お父さんより年上なんだ」
「そうなの!へえ〜年上なの・・・甘えられるから?」
「おませだなあ、美咲は。そんなんじゃないよ。それより高志くんはどうなんだ?」
「やっぱり気になるんじゃない?どこまで知りたい?」
「おいおい気になる事言うなよ・・・心臓に悪いから」
「仲はいいよ。あまりしゃべらないけど、気は遣ってくれるの。男らしいよ」
「そうなんだ・・・お父さん安心したよ。美咲が好きになる子だから、大丈夫だとは思っていたけど」

程なく、店員に智子と高志が席に案内されてきた。

「美咲!」高志はそう言って隣に座った。席に腰掛けると同時に美咲は高志の手をちょっとだけ握った。父親の目の前だったから直ぐに放した。横井はそれを見逃さなかった。本当に美咲は高志のことが好きなんだと感じた。智子は当然横井の隣に座った。身体半分ぐらい離して腰掛けた。

「横井さん、どうでしたの?たくさんお話が出来ましたか?」
「楠本さん、ありがとう。おかげで仲良くなれたよ。キミのお陰だよ。高志くんもありがとう。美咲がよくしてもらって感謝しているよ」
「いいえ、おれなんかと付き合ってくれて嬉しいです」

メニューを見ながらそれぞれに食べたいものを注文した。横井は智子にメニューを見せながら、何にするか聞いていた。美咲はその父親の表情がにこやかな事に「ひょっとして・・・」と先ほどの父の言葉を思い出していた。「年上できれいな人」智子はその条件にぴったりだと感じられたからだ。

横井と美咲はお互いに連絡先を交換して、月に一度は食事をしながら逢おうと約束をした。家に帰って母親の香里にそのことを認めてもらうと美咲は言った。自分の意思でそうするから心配しないでと横井に付け加えた。いろんな話をして、家に帰って来た時間が3時を回っていた。
「ただいま!お母さん、遅くなってごめんなさい」
「美咲?ちょっと話があるから着替えたら居間に来て頂戴」
「うん、直ぐに行くから」

自分の部屋で着替えを済ませて、言われたとおりに居間に来た美咲は正面に知らない男性が座っていることに気付いた。
「美咲、お母さんの隣に座って」
「はい」
「紹介するわ。突然でびっくりしているでしょうけど、こちらは加藤清一さん。お母さんのお知り合いなの。ご挨拶して」
「初めまして・・・美咲です」
「加藤です。お母さんからお聞きしていました。今日は突然お邪魔をしたんです。直ぐに帰りますから、話だけ聞いてください」

美咲はものすごく不安な気持ちになっていた。なんとなく雰囲気から、母親の再婚相手なんじゃないのかと思えたからだ。