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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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トワイライト・ゾンビー

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<トワイライト・ゾンビー>

 二〇xx年、夏。
 人類はついに戦争への恐怖から開放され、世界には平和がもたらされていた。
 文化は花開き、人類はかつて無い栄華を極めていた。
 ただ一つの憂いを除いては……。

 その憂いとはいわゆる『トワイライト・ゾンビー』現象のことである。
 日没近くの黄昏時、人っ子一人いなくなった町中に、いやヒトの居るところなら何処にでも、奴等ゾンビの群れが現れるのだ。
 ゾンビはヒトを襲いそして食い尽くす。
 動きは決して早くないが、何しろ恐ろしい程の数でうろつきまわるので、一度見つかると逃げ切るのは至難の業と言わざるを得ない。
 しかもゾンビ達は恐ろしく鼻が利くのだ。

 しかし全く逃げられない訳では無い。
 ゾンビ達はの名前の通り、夕暮れ時にしか現れない。
 空が完全に暗くなってしまうと、ゾンビ達もどこかへ消えていってしまうのだ。

 更に現在では、強烈な明かりによってゾンビ達を排除する事が可能である事が分かっている。
 強い光を当てるとボロボロに崩れてしまうし、近づいてくる事も無いのだ。
 但し、数度に渡り強い光によるせん滅作戦が取られたが、翌日になると前日とほぼ変わり無い数のゾンビが現れ、根絶やしにする効果は無いというのが定説になっている。
 不幸な時代に死んでいった者達の亡霊であると主張する怪しい宗教家がいれば、いや、現代社会に不満をもつ者のテロ行為だとする政治家などがいたが、結局のところその真相は完全に薄暮に紛れて現われなかったし、慣れっこになってしまった民衆には深刻に考えるのは無駄という認識が広まっていた。