写真 終章
「さぁ あなたの責任よぉ! 早く 幸子を呼んできてね(笑)」と妻。
私はゆっくりと、二階の右側・・ 右!!??? 確か、幸子の部屋は、ずっと左側ではなかったか・・???
でも、右の部屋のドアにはちゃんとローマ字の「sachiko」の表札があるではないか・・
恐る恐る「ノック」をした
「・・・ パパなの? 」と声がした。 「ああ パパだよ」 そう言って部屋に入る。
窓のカーテンの側に 幸子は立ったまま、向こうを向いていた。
「さちこ。。 あの・・ ごめんな パパ 泣いちゃって・・」
「フフフ・・ あのね・・ フフッ そうじゃないのよ 」
幸子は笑って振り返り。。。
「パパ 私は今度こそ 幸せになります。 だから、ね ママをどうか大切にしてあげてね」
「ああ・・ うん わかってるつもりだ。 君も聡・・クンと 仲良くな・・」
「ね、今度こそ、パパも 幸せになってよ? でないと・・」
「でないと・・?? なんだ? 幸子・・・?」
「いえ、、いいのよ パパ もう 判ってるのよね?」
「・・・ ・・・・・・」
幸子は優しく愛らしい笑顔のまま、頬を濡らしていた。 じっと私の顔を 見据えて・・
「フフ・・ もう、 これっきりですからね! パパ・・」
「 いえ、、 『 オ、 リ、 バー 、、、』 さん、、 」
声を出さずに たしかに そして静かに、幸子の口が そういう形に 動いたのを
私は、 私は、
半ば、夢の中でそうするように、ぼんやりと見ていた。
<了>