小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

レイプハンター 前編

INDEX|5ページ/5ページ|

前のページ
 

「知らせて、国家がレイプ犯から女性を守ってくれるのか?」
「いつも後手に回っているような気はします」
「国家の捜査なんていうものは、後手か早とちりなんだ。正しい目で事実を捉えて速攻動けないと意味が無い。
時間は捜査を腐敗させる。何より、ややこしい手続きが判断を誤らせる」
「あなたの国でもそうだったのですね。私のように悲しい目に遭った女性が居たのですね」
「キミたちとは違い、男女はセックスをしない。快楽を求める行為は恋愛という感情が消えて、無くなってしまったよ」
「解りません、どういうことなのか」
「感情をコントロールすることが意識生命体への下準備なのだ。必要の無い感情は捨てられていった。愛情も
全くではないが、特に男女の恋愛感情は肉体の結びつきが無くなった時点で必要が無くなり滅びた」
「あなたの奥様と子供さんへの愛情はどうなっていたのですか?」
「妻は愛していた。子供も同じだ。ただし、妻は私との遺伝子交配によって子供を誕生させた。もちろん恋愛感情
は無かったから、キミが想像するような男女の行為は最初から無かった。家族という単位は生活の上での単位で
支えていたものは、使命とか命令に似た国家の指導的圧力からだったのだよ」
「地球でも遠い将来そうなってしまうのでしょうか?」
「そうならないように私はやって来たのだ。永遠の生命はキミの子孫を見守りこの国を私の居た国のようにしない
ために監視する。そのためにもキミに子孫を残して欲しい。子供に私は身体を移し変えてゆく」
「なんと言うこと・・・」

自分の中で話し合っているうちに時間がずいぶん経ってしまった。薄暗くなってきて、車の近づいてくる音が
聞こえてきた。停車中の翔子の車を通り過ぎて大きなベンツが開けられた車庫に入っていった。車から降りて
翔子はじっと停車した車から降りてきた男を見た。
「違う・・・あんな男ではなかった」
前に女性が立っていることに不信感があったのか、男は声をかけてきた。
「何か私に用事があるのでしょうか?」
翔子は頭を下げて、返事した。
「あのう、人を探しているのですが、前田さんという方をご存知ないでしょうか?」
「前田?この辺りでですか?」
「はい、そのう記憶が定かではないのですが、黒のベンツのセダンに乗っている方なんです」
「車の持ち主を調べられて、ここに来られていたのですね?なるほど・・・前田さんね、この辺りには居られませんよ」
「そうでしたか、あのうもう一台同じような車をお持ちですよね?息子さんか奥様でらっしゃいますか?」
「ああ、E400だね。息子だよ、それがどうかしましたか?」
「息子さんでらっしゃいましたか・・・まだお若いでしょうね?」
「今年確か25になるのかな。修と言うんです。帰ってきたら聞いてみましょう。連絡先教えていただけますか?」
「ありがとうございます。では私の携帯までお願いします」

翔子はがっかりした。調べ上げて間違いなくここに来たのに、奴とは違っていたからだ。
修の車が戻ってくることを確かめる事無く、この日は家に戻っていった。自分を犯したのは40過ぎの男性だった
から、修と言う25歳の男性では決して無いと解ってしまったからだ。