アフタヌーンティ
「彩さんのおかげで、勉強することの楽しさがわかった気がするし、当分の間、男はこりごりなの……」
また私は声に出すことができなかったけれど、私の言葉を聞いた吉原さんは、少年のような輝きを持った笑顔になった。
いつかお父さんが『大好き』と言っていた笑顔だと思った。
私が言えなかった言葉の続きを知っているように思えて、なんだか恥ずかしくなった。
目の前に置かれたままの紅茶に手を伸ばした。
紅茶は程よく冷めていて、飲みやすい温度になっている。
私は一口だけ含んだ。
いつもと同じマスカットフレーバー。
ダージリンティーだ。と思った。
― 『Darjeeling』 了 ―
また私は声に出すことができなかったけれど、私の言葉を聞いた吉原さんは、少年のような輝きを持った笑顔になった。
いつかお父さんが『大好き』と言っていた笑顔だと思った。
私が言えなかった言葉の続きを知っているように思えて、なんだか恥ずかしくなった。
目の前に置かれたままの紅茶に手を伸ばした。
紅茶は程よく冷めていて、飲みやすい温度になっている。
私は一口だけ含んだ。
いつもと同じマスカットフレーバー。
ダージリンティーだ。と思った。
― 『Darjeeling』 了 ―