気づいてね!
洋介はこんなメールを読んで、
「なんだよ、これ?」とぶつぶつ言いながらベットから抜け出し、キッチンへと入って行った。
すると、テーブルの前に、一人の女性が座っているではないか。
洋介はまるで狐につままれたかのように、その奇異な様子を眺めている。
そんな時に、いつもの甘ったる~い声で、女から朝の挨拶がある。
「お・は・よう~ ・・・ 登録番号・0840番さん」
洋介はそれにつられて、思わずいつもの調子で、
「うん、おはよう ・・・ 登録番号・723番さん」と返してしまう。
すると女は一段と甘ったる~い声で、朝の一言を告げて来る。
「愛してね!」
洋介は、事ここに至って、やっとこれがどういう事態なのかに気づいた。
そして、とうとう男の覚悟を決めたのか、優しくそれに応えるのだった。
「登録番号・723番さん ・・・ いや、ナツミさん、
今まで大変お世話を掛けました、
気づかなくってゴメンなさい、
だけど、これからこのアパートで一緒に暮らすとして、
もし、引き続き毎朝起こして頂けるなら、
僕は君に ・・・ 永遠の愛を誓います!」
「あっらぁー、洋介さん ・・・ まだ気づいてくれてないのね」
「何を?」
「私、お寝坊さんなのよ、
だから愛してねって言ったでしょ、
もし私を愛してるなら、
明朝からは ・・・ お・は・よう~って、私を起こしてくれるわよね、
少なくともこの1年分を返して頂戴、
ねっ、登録番号・0840 ・・・ オハヨオさん」
「@*;<?%#$”!¥ ・・・ はい、723さん」
おわり