気づいてね!
「お・は・よう~ ・・・ 登録番号・0840さん」
洋介は眠たげに目をこすっている。
そして耳にあてたケイタイからは、
甘ったるい声で、こんな朝一番の挨拶が聞こえて来た。
洋介はそれを確認し、少し間を置いて、
「うん、おはよう ・・・ 登録番号・723番さん」と、ゆるゆると返す。
するとケイタイの向こうからは、ますます甘ったるい声で一言。
「気づいてね!」と。
その後、ケイタイはプツリと切れた。
ただそれだけのことだ。
だが洋介は、
「そっかー、今日の朝の一言は ・・・ 気づいてね! ・・・ なのか」と呟きながら、ベットからごそごそと抜け出した。