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余白

「なかなかに面白い事件だね。友紙　優里が殺されたなら、この事件、殺人は、ここでおしまいかな？　……そうみたいだね。
　簡単にここまでの犯行をまとめてみよう。
　はじめが通り魔的な殺人。被害者は通間　道征。橋を落とすことは、誰にもできないという不可能犯罪。
　次は深夜に行われた殺人。被害者は薬師　医病。無音か貫通のどちらかが無理になるという不可能犯罪。
　最後は同じく深夜の殺人。被害者は友紙　優里。完全無欠にありきたりな、密室殺人という不可能犯罪。
　すべてがすべて、不可能なんだね」
　《命名師》が言う。
「――さて、この後は解決編に入るわけだ。《自問自答（トラブルメイカー）》の名前を洒落て言うなら、『解答欄』と言ったところかな？　……ふむ、その前に少しだけ整理の話を入れるのかい。なら、……そうだね、『余白』と名付けるべきかな？　さぁ、語っておくれ？」