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配達員

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   春


5月、ゴールデンウイークとやらで、巷は、賑わっている。
そんな日でも、新聞は来る。
そして、チラシの多い時期でもある。

「おはようございます。」
「おはよぉ~。」

タイムカードを押して、自分の区域の新聞を受け取り、いざ、出発。

「あぁ~分厚いなぁ~、今日もかよぉ~。」と、つぶやきながら、配達区域に到着。

5月になったとは言え、まだ、空は、星が輝いている。

1軒1軒、新聞を配る。
いつもの家に、いつもの様に。

まだ、所々に雪が残っているが、そう寒くは無い。

「おっ!ふきのとう!」
「おぉ~芝桜が咲き始めたねぇ~」
「あっ、つつじの蕾が膨らんだ」
「あら、チューリップちゃん、おはよぉ~君は早いんだねぇ~」
「桜君、そろそろだねぇ~出番だよぉ~。」

薄暗い中でも、感じる気配。月明かりで見える花達。

最近は、玄関に「体感照明」なる物が付いた家が多い。
なので、玄関に近づくと、「パッ!」と、明るくなる。

初めての時は、驚いたが、これが、意外と、便利なのである。

玄関フードも、増えた。お陰で、雨の日とても、助かる。

作品名:配達員 作家名:優希