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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「愛されたい」 第四章 研修旅行と淑子の嫉妬

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頭の中は智子への嫉妬でいっぱいになっていた。勝手に自分で思い込んで智子に強い敵意を抱いた。

この日から顔をあわせても挨拶をすることも無く仕事上の必要最低限の会話しか智子と交わすことが無くなっていた。チームを組んで仕事を始めるというのにこんな状態では気まずいと智子は感じていたが、何が淑子をそうさせていたのか解らなかった。文子に相談した。返事は、係わらない方がいい、と言うだけだった。「仕事に専念して付き合えばそれでいいんじゃない」とも言われた。

上司である横井に相談しようとも考えたが、かえって付き合うきっかけになってしまうようで言えなかった。智子の重苦しい気分の日々は続いていた。そして月が変わって、いよいよ試食品の開発プロジェクトがスタートになった。いつもとは違う調理場でデザイン担当者の書いたレシピにしたがって、調理師と文子、淑子の三人が調理を開始する。智子も手伝いながら、出来上がったサンプルを試食する。

「美味しいですけど・・・私には辛いです」その意見を聞いてから、派遣の社員が口に運ぶ。
「なるほど。では調味料を少し加減してもう一度作ってください」
そう言われて、文子と淑子は作り始めた。
「どうですか?」出されたサンプルに智子は箸をつける。
「ええ、今度は美味しいです」
「どれどれ・・・これでOKだな。調味料の分量をきちんとメモして置いてください」そう文子に言って、次のレシピに移るように言った。

これを何度も何度も繰り返す。午前中だけで智子はもうお腹が満腹になって気分が悪くなってきた。
「なるほど、これは辛い・・・」そう感じていた。
「大丈夫ですか?楠本さん。少し休憩しましょうか」
「課長、まだ昼休憩まで30分ありますからダメですよ」
淑子はぶっきらぼうにそう言った。
「無理をさせると午後から食べれなくなるからそう言ったんだよ。休憩にしよう」

その一声で派遣の社員も了承して、早めの昼休憩になった。