いまどき(現時)物語
第7章 愛と憎悪の臨界点の巻
浮舟から示された四人の相関図は次のようなものだった。
異常なパワハラ
朝霧 −−−−−−−−−−−−ーーーー 部下 桜木
I \ / I
I \ / I
I \ / I
仮面夫婦 \ / 恋愛関係
I \/ I
I / \ I
I / \ I
I 愛人 不倫 I
I / \ I
I / \ I
妻 椿子 −−−−−−−−−−−−−−−−− 可奈子
同期入社の友人
この図から読み取れる四角関係のすさまじさ、
高見沢は今その驚きから少し覚めたのか、浮舟に声のトーンを落として話す。
「それでこれらの一人一人が、どんな人物でどんな状況にあるのか、
その愛憎模様を、もうちょっと詳しく説明してくれない」
浮舟は「わかりました」と軽く返し、淡々と説明を始めるのだ。
「まずこのドラマの主役の朝霧ですが、妻の椿子とは社内結婚です、
当初は周りが羨むばかりに仲が良かったみたい、だけど、朝霧の仕事が忙しくなって、段々と夫婦でありながら、何もかも疎遠となって行ったみたい」
「それは、よくあるケースだよ」
高見沢にも理解出来る所があるのか、この報告に深く頷いている。
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊