いまどき(現時)物語
「そうか、さぞや知的美人になったんだろうなあ」
「もちろんよ …
でもね、もっと現代社会に馴染んで生きて行くためには、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング : 実務訓練)が必要なの、
卑弥呼女王からの指示で、高見沢さんに先生になってもらって初仕事をしなさいって … だから、お力を貸して頂けませんか?」
まさにこれは、高見沢が先生になって、浮舟を一人前にする協力要請なのだ。
卑弥呼女王からの指示、そして浮舟からの依頼とあらば、今ここで独占的育成権の行使を拒む理由は何もない。
魚心あれば水心、むしろ頼られて来るのが何よりも嬉しい。
「全然問題な〜し、水火も辞せずで助け出して、夢浮橋を渡って連れて帰って来た心一途なお姫さんだ、男の意地に掛けてサポートさせてもらいますよ」
高見沢は珍しく人から期待されたのか、ほぼ舞い上がり状態。
「明日夕方の六時に祇園下のコヒーショップでお会いしたいわ、如何?」
浮舟から早速の具体的なお誘いがある。
「オキドキ! (OKEYDOKE!)」
高見沢は胸踊らせて、一発返答するのだった。
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊