いまどき(現時)物語
第3章 マキコ・マネージャーの巻
高見沢一郎、京都のロボット部品メーカーに勤めるそれはそれなりのサラリーマン。
長年の会社人生、お決まりの意気阻喪(そそう)な日々が続く。
しかし、そんな彼には秘密があった。
実は、未だ世間の皆様は知らない事ではあるが、京都祇園の地底世界に、邪馬台国が今も存在しているのだ。
一千五百年の歳月の流れの中で、この古代女王国は、神秘のベールに包まれたまま滅びる事なく生き長らえて来た。
そして事もあろうか、高見沢は第七十六代目卑弥呼女王からミッションを拝命していたのだ。
「グリーン・アイズを探し、邪馬台国に連れて来て、種の保存に貢献せよ」
これがエメラルドグリーンの瞳を持つ女王から与えられたミッション。
高見沢は、たとえ多忙と混乱のサラリーマン滅私奉公の生活の中にあっても、その遂行を充分心掛けて来た。
また、これからもそのつもりだ。
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊