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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・弐】お祭り神社

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畳の上に敷かれた布団の上で上半身を起こしていた柴田が自分の手を見てソレから天井を見て溜息をついた
「…ヤキが回ってきたか…俺も…それとも…」

ガラッ

「柴田」
ふすまが開いて顔を見せたのは七分のズボンをはいた坂田
「これから御輿ですか?」
柴田が坂田に聞く
「ああ…まぁ…うん」
坂田が頭を掻きながら答えた
「すいません俺がこんな怪我なんかしたから;」
柴田が自分の左肩をさすりながら申し訳なさそうに言う
「左肩の脱臼に左足の骨にヒビ、右足骨折に…体中に痣…ったく…」
坂田がふすまを開けたまま柴田の近くに歩み寄る
「お前ともあろうヤツが何してんだよ…ばぁか」
坂田が柴田を見下ろして言った
「スイマセン; ちょっと猫を;」
「猫より自分だろ」
言いかけた柴田の頭を坂田が叩いた
「ったく…昨日は本当…寿命縮まりまくりだぜ…」
坂田が柴田の髪を指でいじりながら言った
「あんま心配かけんな馬鹿」
「いっ;」
そう言いながら坂田が柴田の髪の毛を一本抜いた
「なにするんですか若;ハゲるじゃ…」
「白髪」
柴田の目の前に抜いた白髪を差し出して坂田が言う
「まだ白髪生やすには早ぇえんじゃねぇか?…俺まだ13だし…せめて俺が20になってから生やせ白髪」
坂田が言った
「若…」
「…いってくるッ」
柴田の手の上に抜いた白髪を置いて坂田が部屋を出てふすまを閉めた
「…あと…7年か…」
白髪を摘みあげて柴田が呟いた
「…お前も…あの時のお前もこんな気持ちだったんだろうな…」