【第八回・弐】お祭り神社
「駄目」
「何でよッ!!!」
阿修羅がカンブリを片手に言うとヨシコが怒鳴った
「あんのなぁヨシコ…;何のためにオライがお前のお目付け役…基教育係になったのかわかるだろが;」
溜息を交えて言う阿修羅がヨシコの頭に手を置いた
「それは……でも!!」
「でもでもアレでもヘチマでもなく駄目ったら駄目だっての」
ヨシコが何か言おうとすると阿修羅がヨシコの頭をポフポフ叩きながら言う
「…なぁ」
京助が緊那羅を肘で突付いた
「ヨシコって…何?」
そして小声で緊那羅に聞く
「吉祥は…その…えっと…上の嫁…? 候補というか…」
緊那羅が京助に小声で返した
「ほほ~…じゃぁやっぱりお嬢様みたいなもんなんだねヨシコちゃん」
南が納得したように頷いた後ヨシコを見た
「だから…吉祥は自由が限られてるんだっちゃ」
吉祥を見ながら緊那羅が付け加えた
「私…吉祥がコッチに来てから吉祥の我侭が倍増している気がするんだっちゃ…」
緊那羅が言う
「…そうかもな…」
迦楼羅が呟いた
「コッチでは吉祥はただの吉祥というだけで何の役目も肩書きもないからな…ワシ等もだが…だから吉祥も羽が伸ばせるのだろう」
目を細めて迦楼羅が言うと一同がヨシコを見る
「【天】に戻れば僕等も吉祥も【役目】や【地位】…肩書きに縛られていますしね…迦楼羅もコッチに来るようになってから本ッ当 (強調)我侭が増しましたし」
そう言いながら乾闥婆が迦楼羅を見た
「…そうか?;」
乾闥婆に視線を向けられた迦楼羅が気まずそうな顔で乾闥婆を見返すと乾闥婆が頷いた
「じゃぁ今日だけ!! 今日だけならいいじゃない? ね? あっくん!!」
ヨシコが阿修羅の腕を引っ張って言う
「だぁから…;」
作品名:【第八回・弐】お祭り神社 作家名:島原あゆむ