そんな季節が秋
逃げたことばたち
また、逃がしてしまった
きらきら光ることばたちだったのに
眩しいくらいに
輝いてみえたことばたちだったのに
でも、もういちど眼を閉じて
心を落ち着かせてみよう
そうすればきっと……
愛するひとと肩を並べ
海を凝視めながら
語り合ったあの日のように
生まれたばかりのときめきを
爽やかな風の中で
大切に育てようとしていた
そんな季節もあった
ふたりで歩いて行こうと
誓った朝を思い出して
もう一度スタートしよう
いつまでも変わらずに
その心を持ち続けること
夢を見失わないこと
それこそが大事なのだから
美しい調べに聴き入るように
眼の醒めるような透明な流れを
探しに行こう
まだ間に合う筈だ
諦めないで歩いて行こう
解ってくれるしなやかな心は
どこかに何気なく隠れている
疲れたこころのままでいい
疲れた身体のままでいい
その国の入口は
もうすぐ見出せるに違いない
そこに辿り着ければきっと
逃げたことばたちが
はしゃぎながら迎えてくれる
眩しいくらいに輝きを取り戻して