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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回】お祭りマンボゥ

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本祭り当日子供御輿に出る小学生の付き添いや天狗行列の旗持ちをして小遣いを稼ごうと名乗りを上げた正月中学校の生徒が本殿社務所前に集まっていた
「あれ? 坂田は?」
自分が一番最後だと思っていた京助が見えない坂田の行方を南と中島に聞いた
「あ~…なんだか柴田さんが昨日警備してて怪我しただかで…」
南が言う
「…それ本当?」
「うおおおお!!!!?;」
いつの間に後ろにいたのか本間の声に中島と南が飛び上がった
「ほ…本間ちゃん;」
南が苦笑いで本間に手を振った
「柴田さん怪我したって本当?」
旗持ちに参加するのか制服姿の本間の手には2メートルくらいはあろうかという大きな紫色の旗が握られている
「あ…ああ; 今朝電話来た…んだ; 遅れるかもって」
中島が言うと南も頷いた
「俺ンとこにはきてねぇぞ?」
京助が言う
「どうせかけても寝てるから無駄だって坂田だってソレくらいわかってるわよ」
赤い色の旗を持った阿部が本間の隣にきて京助に言った
「何だよソレ;」
京助が黄色い布でタスキをしながら口の端を上げて言う
「じゃぁ聞くけど起きてたの?」
阿部が京助に聞いた
「ほっぺについた赤い跡が全てを物語っているなぁ…; さっきまで寝ておりましたってサァ;」
南が苦笑いで京助の頬を指差した
「仕方ねぇじゃん; 寝る気は無かったんだけど泣き疲れ…」
言った京助がハッとして言葉を止めた
「泣き疲れ?」
中島が京助を見ると京助の顔が赤くなった
「…泣いたの?京助」
阿部が驚いた顔で京助を見る
「だ…っ; …俺が泣いちゃおかしいですかいッ!!;」
半分ヤケになっているらしい京助が声を張り上げて言う
「俺だって泣く気なかったさ!; でも緊那羅が…」
緊那羅の名前が京助の口から出ると阿部がぴくッと反応した
「ラムちゃんが?」
南が京助に聞く
「…なんでもねぇ」
豆絞り手ぬぐいを首からかけた京助が呟いた
「…そういや緊那羅は?悠と慧喜はさっき見たけど…」
中島が子供御輿の方を見て言った
「ああ…立てないから後で来るって言ってた」
京助がさらっと答えると中島と南が揃って京助を見た

「…なんだよその顔;」
京助が南と中島を見て言う
「…いや…うん…いいんだよ? 京助君…男の子だしね。若いしね。」
南が爽やかな笑顔で京助の肩に手を乗せた
「は?;」
京助が疑問系の返事を返した
「あんまり無理させんなよ?」
中島もウンウン頷きながら京助の肩に手を乗せた
「…お前等…何考えてるんだか手に取るようにわかってるんだけどさ…あえて教育上それに触れないでおくわ…」
京助が乗せられていた中島と南の手を静かに剥がしながら言う
「それにご期待に添えないようですが緊那羅はただ膝枕してくれてただけだしそれに…」

ヒュッ
ガンッ

風を切る音が聞こえたかと思うと何かをおもいきり棒で叩いた音がした
「あ…べちゃん?;」
南が阿部を見た
「あっそ!!」
持っていた旗でおもいきり京助を叩いた…というかぶん殴った阿部が眉を吊り上げながら言うとフイっと背中を向けて大股で歩き出した
「…坂田きたら柴田さんの容態聞いておいてね」
本間はそう言うと阿部の後を追いかけていった
「…どうする…コレ?;」
中島が白目をむいてる京助を突付いた
「どうするってもナァ;」
南も京助を突付く
社務所の中からおっさん達が祭り着に着替えて出てくるとスピーカーからまたノイズ混じりの演歌が流れ始め本祭りの開始を告げた