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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回】お祭りマンボゥ

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「財布よ~し!」
南が黒い自分の財布をイソイソと鞄の中に入れた
「着替えよ~し!」
坂田が黒いタンクトップと黒い短パン姿で腰に手を当てて言う
「胃袋よ~し!!」
京助が腹を一回叩いて言う
「遊ぶ気やる気よ~しッ!!」
中島が腕を上げて言った
「じゃ出発!」
夕方午後五時栄野家の玄関前で3馬鹿と京助がたむろっていた
「緊那羅は?」
ふと坂田が言った
「ラムちゃ----------ん! おいていくよ---------?」
南が家に向かって叫ぶとバタバタという足音が聞こえてガラッと戸が開いた
「ごめんだっちゃ;」
緊那羅が苦笑いで戸を閉めた
「あれ~京助もう行くの?」
お神酒用の一升瓶を持った慧喜と共に悠助が境内から歩いてきた
「おうよ」
京助が返事をする
「ちょっと待って僕も行きたい~」
悠助が言う
「じゃ速攻準備して来い」
「はぁいっ!」
中島が笑いながら言うと悠助が慧喜の手を引いて家の中に入っていった

「遅い;」
かれこれもう30分は待っているであろうまだ出てこない慧喜と悠助を3馬鹿と京助と緊那羅はしゃがんだり即席ゲームをしたりして待った
「…ちょっとみてく…」

ガラッ

様子を見てこようと立ち上がった緊那羅が戸の開く音に顔を上げた
「おおおお!!」
坂田が声を上げた
「可愛い可愛い!!」
南が立ち上がって拍手をする
「浴衣カァ…祭りだナァ」
京助が口の端を上げて言った
「僕は甚平~!!」
白地にアザミ模様の浴衣を着た慧喜の後ろから紺色の甚平を着た悠助が顔を出した
「悠助可愛い」
慧喜が悠助を抱きしめる
「いや慧喜ッちゃんも可愛いよ」
南が笑う
「ソレ着てたから遅かったんだっちゃね」
緊那羅が言った
「ハルミママ様が女の子は浴衣着ないとって」
慧喜が帯を軽く叩きながら言う
「少し苦しいけど…」
帯の間に指を入れながら慧喜が息を吐いた
「慧喜似合うよ~可愛い~」
悠助が満面の笑みで言うと顔を赤くした慧喜が嬉しそうに微笑んだ
「じゃ行くか~…慧喜と悠離れるなよ? 緊那羅も」
京助が歩き出す
「人多そうだしねぇ?」
南が言う
「本当; 毎年何処にこんなにいたんだっちゅーくらい湧いてくるしな」
中島が肩に袋をかけて言った