朝露
地中海の青い空と 爽やかな風が吹きぬけるナポリ。
アウレリウスは、その豪勢な屋敷のバルコニーで ワインを飲みながら、寝転んでいる。
顔はもはや、真っ赤であり、傍目から見ると酔いつぶれる寸前のようにも見えてしまう。
アウレリウスの家は、古くからこのナポリに住み着き、肥沃で広大な農地やエジプトやコンスタンティノープルとの貿易から、極めて豊かな暮らしを続けてきた。
たくさんの使用人を抱えていたが、こだわりや屈託がなく、冗談好きなアウレリウスの性格から、常に家の中では笑い声が絶えなかった。
しかし、アウレリウスは仕事と名の付くものは、全て嫌いであり、最近無理をついてアジア貿易に繰り出した船が、暴風雨に巻き込まれ沈没するなど大損害もあって、父や母も行く末をかなり案じている。
アウレリウスも、時折は父や母の心配に思いを寄せることもあるのか、様々な書物を読んだり、街の有力者に助言を求めることはあった。
しかし、生来の仕事嫌いな性格はどうともならず、今日のように、ワインを飲んでは酔いつぶれて、1日を無駄にしてしまうのだった。
アウレリウスは、その豪勢な屋敷のバルコニーで ワインを飲みながら、寝転んでいる。
顔はもはや、真っ赤であり、傍目から見ると酔いつぶれる寸前のようにも見えてしまう。
アウレリウスの家は、古くからこのナポリに住み着き、肥沃で広大な農地やエジプトやコンスタンティノープルとの貿易から、極めて豊かな暮らしを続けてきた。
たくさんの使用人を抱えていたが、こだわりや屈託がなく、冗談好きなアウレリウスの性格から、常に家の中では笑い声が絶えなかった。
しかし、アウレリウスは仕事と名の付くものは、全て嫌いであり、最近無理をついてアジア貿易に繰り出した船が、暴風雨に巻き込まれ沈没するなど大損害もあって、父や母も行く末をかなり案じている。
アウレリウスも、時折は父や母の心配に思いを寄せることもあるのか、様々な書物を読んだり、街の有力者に助言を求めることはあった。
しかし、生来の仕事嫌いな性格はどうともならず、今日のように、ワインを飲んでは酔いつぶれて、1日を無駄にしてしまうのだった。