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お下げ髪の少女 後半

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「父がお世話になっています」
美緒は頭を下げた。笑顔が途切れた。
「えっ!?あの……あの人がお父さん!?」
 緒方は車にはねられたような衝撃を受けた。
「そうなの」
 再びの美しい微笑。
「あの人は僕と美緒さんが無関係ではないことを、知らなかったと思いますが……」
「グリンデルワルド……」
 一瞬、美緒の眼の輝きが増した。
「……ああ、喫茶店ですね。本屋の上の」
「そうです。父に連れられて行ったんです」
「いつ?……いつのことですか?」
「去年の暮れに近い頃だったと思います」
「それで、そのとき、僕が居たんですね?」
「そうです。あのとき、あなたは夢中で何か書いていました」